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この一年の登山記録と、那須岳の風景──心を整える時間と、静かに灯る憧れ

2025年7月10日

この一年の登山記録と、那須岳の風景──心を整える時間と、静かに灯る憧れ
この一年の登山記録と、那須岳の風景

──心を整える時間と、静かに灯る憧れ

こんにちは。REVOLVER合同会社の浅岡です。

先日、7月8日は中学生の頃に亡くなった母の命日でした。ふと、この一年を振り返ってみようという気持ちになり、改めて歩んできた日々を思い返しています。私にとって、とても特別な一日です。

仕事と生活の波に追われながらも、山を歩いた時間が確かに存在していて、その記憶に触れることで、心がすっと整っていく感覚があります。登山は、日常からほんの少し距離をとり、静けさと向き合うための貴重な時間になっています。


◻︎登った山々、この一年の記録

この一年で歩いた山は、至仏山、伊予ヶ岳(低山ですが、金谷の雰囲気が好きです)、金峰山、陣馬山、鋸山、棒ノ折山、そして残雪期の武甲山。どの山にも、それぞれの記憶と時間が刻まれており、歩いた分だけの体験が心に残っています。

自然と、深田久弥の『日本百名山』を手に取るようになり、百名山の持つ魅力にも少しずつ惹かれています。歩いていると「次はどこへ行こうか」と自然に考えている自分がいます。


◻︎登山と仕事の共通点

登山をしていると、いつも感じることがあります。それは、「山登りも仕事も、着実に一歩ずつ歩を進めていく過程がとても似ている」ということです。

1が一気に100になることはありません。急ぐことなく、一歩ずつ、時には立ち止まり、また歩み始める——。

読書や登山と同じように、仕事も地道な積み重ねの中にこそ大切な意味があると、改めて実感しています。日々の業務や取り組みも、そうして積み上げた先にこそ、ゴールや成果があるものだと信じています。


◻︎那須岳の稜線で思い出したこと

つい先日歩いたのは那須岳。茶臼岳から朝日岳、そして三本槍岳へと続くルートを巡りました。朝は霧と小雨に包まれ、視界が白く霞んでいましたが、やがて雲が晴れ、切れ間から現れた稜線の力強さに心を奪われました。

那須岳は初心者でも比較的歩きやすい山ですが、稜線の造形や岩肌の質感には独特の空気があり、“異星”に降り立ったような不思議な没入感があります。地球とは思えない、そんな感覚さえ抱かせてくれる魅力があります。

アクセスが良いにもかかわらず、本格的な登山の手応えを感じられる、とても魅力的な山です。

歩きながらふと思い出したのは、数ヶ月前、仕事でお世話になっている鈴木さんが「エベレストに挑戦する」と話していたことでした。かつて友人と「いつかベースキャンプまででも行きたいね」と語り合った記憶が、稜線を歩きながら自然と蘇ってきました。

その想いの原点は、私が初めて登山に挑戦した北アルプス縦走の旅にあります。長野県松本市の「カウチポテトホステル」で出会ったオーナーのタケルさん。彼が語ってくれた「エベレスト挑戦の体験」は、今も私の心の奥で静かに灯り続けています。

今はまだ声に出すには早いかもしれませんが、稜線の上でふと、「エベレストか……」と、独りふける自分がいました。


◻︎群馬の山々、そして余白に触れる時間

最近では、仕事でご縁のある方が群馬県に住んでいることもあり、群馬の山々にも目を向けるようになりました。赤城山、妙義山、谷川岳……。どれも個性豊かで、心惹かれる山ばかりです。

時間がいくらあっても足りませんが、それでも「行きたい」と思える場所があることは、とても幸せなことだと感じています。


◻︎読書と音楽、そして禅のような登山体験

この一年は、読書にもずいぶんと熱が入っていました。村上春樹の小説をほぼすべて読み返し、20代前半に影響を受けたビートニク文学にも再び触れ直しました。『怒りの葡萄』やウィリアム・バロウズの作品など、感覚を揺さぶられる言葉に、また新たな気づきを得ています。

音楽も変わらず大切な存在です。ビートニク文学や登山が持つ“余白”や“感覚のひらき”には、禅や瞑想にも通じるものがあると感じています。自然の中に身を置くことで、頭の中のノイズが静まり、自分の本心にふと触れられるような、そんな時間があります。


◻︎そして、夏がやってくる

山に登る日々のあとは、海の季節がやってきます。これからは、ボディボードを楽しむ季節です。夏の風を感じながら、波に身を任せる時間もまた、私にとって欠かせないリズムです。

仕事、登山、読書、音楽、旅、そして人とのつながり——。いずれも「日々を丁寧に生きる」ための大切な要素です。こうした積み重ねのなかで、ふと立ち止まり、自分を見つめ直せる日があることに、静かな感謝の気持ちが湧いてきます。

また次回も、“歩きながら考えていたこと”を綴っていきます。


REVOLVER合同会社

代表 浅岡俊光

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