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神保町で“本場の讃岐”を味わう──うどん丸香で出会える一杯

2025年10月16日

神保町で“本場の讃岐”を味わう──うどん丸香で出会える一杯
神保町で“本場の讃岐”を味わう

──うどん丸香で出会った一杯


こんにちは。REVOLVER合同会社の浅岡です。

先日、神保町にある讃岐うどんの名店「丸香」さんへ初めて伺いました。雨の日にも関わらず店の前は長い行列。それでも回転が早く、思ったより早く席に通していただけました。結論から言えば——“いりこだし”が身体にすっと入っていく、記憶に残る一杯でした。


◻︎ 音楽と神保町、そしてお茶の水

私はもともと音楽が好きで、若い頃はバンドをしていました。お茶の水の楽器店街にはよく通い、ギターやアンプを眺め、試奏し、店員さんと音の話をする時間が大好きでした。

年月が経ち、いまは登山が生活の大きな柱のひとつになりました。神保町は登山用品店がいくつも並び、用具の点検や新しい道具の下見に足を向ける機会が増えました。楽器から山道具へ。目的は変わっても、この街を歩く高揚感は変わらないものがあります。


◻︎ うどん丸香へ——雨の行列も、湯気と香りで報われる

神保町で食事をするお店も少しずつ開拓しているのですが、今回は念願の「丸香」さんへ。ご主人は四国・香川のうどん屋さん出身と伺い、“本場の味”を求めて訪問しました。

並んでいる間、店内から立ちのぼるだしの香りが雨混じりの空気にふわりと広がり、空腹が静かに加速していきます。席に着くと手際の良さに見惚れるばかり。無駄のない動線、淀みないオペレーション。プロの仕事だな、と素直に思いました。


◻︎ 一口目でわかる“いりこ”の骨格

まずは定番の一杯を。丼を手に近づけると、いりこの香りがふわっと立ち上がる。ひと口すすると輪郭のはっきりした旨みが舌の上でほどけ、余韻に雑味がない。麺は適度なコシがありつつも喉越しが軽やかで、だしとぶつからずに寄り添う。

香川で食べた讃岐うどんを思い出しながら、「ああ、これだよな」と何度もうなずいてしまいました。


◻︎ 四国お遍路の記憶と、讃岐うどん

数年前、私はクロスバイクで四国八十八ヶ所を巡りました。香川では朝昼晩といっても大げさでないくらい、何軒も“はしご”してうどんを食べた記憶があります。店ごとにだしの引き方や麺の表情が違い、湯気の向こうにその店の“哲学”が見えるようで、食べるほどに楽しかった。

丸香さんの一杯は、そのときの体験が一瞬で立ち上がるような、心のどこかにまっすぐ届く味でした。


◻︎ プロフェッショナルの仕事に、元気をもらう

美味しいものを「当たり前に」提供し続けるのは簡単ではありません。仕込みの積み重ね、温度と時間の微調整、ピーク帯の流れの作り方——どれか一つでも崩れると全体の完成度が下がる。

丸香さんの店内で感じたのは、そうした見えない積み重ねへの敬意です。私自身、仕事の現場で大切にしている“再現性”や“丁寧さ”の意味を、熱い丼とともに改めて思い出しました。


◻︎ また、ふらっと寄りたい店

神保町に来る理由が、また一つ増えました。楽器、登山用品、古本にコーヒー——そして、いりこだしのうどん。雨の行列も含めて、街の記憶が一枚増えた気がします。次は釜玉も試したい。そんな楽しみを胸に、また仕事へと戻ります。


うどん 丸香


また次回も、“歩きながら考えていたこと”を綴っていきます。


REVOLVER合同会社

代表 浅岡俊光

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