自分の特性と準備が大切(第二部)──テレアポの面接で体感した“準備”の力
2025年9月11日

自分の特性と準備が大切(第二部)
──テレアポの面接で体感した“準備”の力
こんにちは。REVOLVER合同会社の浅岡です。
前回(第一部)では、高校一年生の頃のアルバイト経験を通じて「自分の特性(合う・合わない)を知ること」の大切さを書きました。今回はその続き。テレアポのアルバイト面接で、準備こそが不安を越える最短の橋になると実感した体験です。
◻︎面接当日、12:30──“会社”の扉を前にして
面接はお昼の12:30。原付を近くの駐輪場に停め、駅近の小さなビルの3階へ向かいました。エレベーターはなく、階段を昇る。三階の踊り場には扉が二つ。事前に電話で「階段を上がって左側です」と聞いていたので、迷うことはありませんでした。
15分前に到着。ところが、扉の前に立った瞬間、胸の鼓動が一気に跳ね上がります。これではよくない、と一度ビルを出て周辺を少し歩きました。“会社”という場所は人がたくさんいて、そこへ16歳の自分が入っていく――そのイメージに圧倒され、緊張が最高潮に達していたのだと思います。
5分前。ここで逃げたら一生引きずる、と自分に言い聞かせ、勇気を振り絞ってノック。扉を開けてくれたのは、電話で対応してくれた**事務の女性(のちに“のんちゃん”と呼ぶ方)**でした。
「履歴書を準備して、こちらでお待ちくださいね。」
昼どきだったこともあり、広いオフィスには人がまばら。背筋を伸ばして履歴書を整え、深呼吸を繰り返して待ちました。
◻︎「おお、はじめまして」──面接官・高橋さんとの出会い
間もなく現れたのが、30代後半〜40代くらいの男性。面接官の高橋さんです。
「おお、はじめまして。浅岡君だよね、よろしく。」
笑顔で差し出された一言に、肩の力がすっと抜けました。私が勝手に想像していた“堅い面接官”とは真逆の、気さくで柔らかい人。緊張で強張っていた表情が、少し緩んだのを覚えています。
面接の細部は正直ほとんど覚えていません。ですが後日、高橋さんが笑いながらこう言ってくれました。
「浅岡君から電話をもらった時点で、ほとんど採用だったんだよ。今日は確認の意味での面接だった。」
結果はその場で採用。扉を出ると、ちょうど13時前で、昼休憩から戻ってきた社員・アルバイト・パートの方々が続々と入ってくるタイミングでした。フロアの奥からは、号令のような声。
――この場所で働くのか。
あの瞬間、自分の“次の一歩”が確かに始まる感覚を、身体の内側からはっきりと感じました。
◻︎何が“採用”を引き寄せたのか──電話の「初手」に宿る準備
当日の勇気はもちろん大切でした。しかし、今回について言えば、勝負の多くは面接前に決まっていたと今は思います。
• 姉に相談し、電話の最初の一言から簡単に練習したこと
• 相手の手が空きやすいと踏んで、お昼時に静かな場所から電話したこと
• 要件を端的に伝える準備、日程・持ち物を正確に控える段取り
当時はスマホもAIも当たり前ではありません。だからこそ、「準備」というアナログな武器が、とても頼もしかった。緊張は消えない。けれど、準備は緊張に“足場”を与えてくれる。足がすくんでも、踏み外さないための足場。それが今回の即採用に直結したと感じています。
◻︎16歳の自分が得た、三つの教訓
1. 緊張することにこそ、積極的に挑戦する。
逃げれば楽だが、そこで終わってしまう。扉の前の5分を越えた先に、新しい景色がある。
2. 悩んだら、進む。
悩みは準備で小さくできる。完璧な準備は要らない。“今日できる準備”を積むこと。
3. テレアポの面接は、電話の時点で7割決まる。
声の明るさ、要点の端的さ、相手への配慮。初手の設計が結果を左右する。
◻︎いま、仕事にどう生きているか
この体験は、今の私の仕事の基礎になっています。
• 初手の設計:最初のメール・最初の打ち合わせ・最初の提案に“準備”を込める。
• 相手の時間を尊重する段取り:連絡の時間帯、要点の整理、次アクションの明確化。
• 不安を越えるのは度胸ではなく、準備の積み重ね:勇気は準備から生まれる。
“準備”は、背中を押す見えない支度です。若い日のあの採用通知は、ただの合否ではなく、準備が未来を連れてくるというメッセージでした。
第三部へ続きます。
(次回は、初出勤からテレアポ現場での最初のつまずき、小さな成功、そして「準備がチャンスを掴む」を確信に変えた具体的な出来事を書きます。)
また次回も、“歩きながら考えていたこと”を綴っていきます。
REVOLVER合同会社
代表 浅岡俊光